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作詞:ぽてんしゃる0 作曲:ぽてんしゃる0 編曲:ぽてんしゃる0 歌:メグッポイド、IA 翻譯:yanao 基於相互尊重,請取用翻譯者不要改動我的翻譯,感謝 五月雨 於汙穢風聲的最終落腳處, 陷入剎那一眠。 心靈根幹, 染上朱紅色彩, 將在空中嘲諷的群青, 背負在身後。 初夏,午後。 無法得到回報的。 真正的願望。 如夢似真, 虛實難辨, 徬徨、漂浪,反覆如此。 綻放淡紅色澤的八重櫻, 頹然,抬頭望時便是天空一片。 雲層,覆蓋遮掩的鉛色。 啊啊,微溫的石礫, 敲上後背。 啊啊,五月雨啊。 願你能濡濕我身, 浸我於過錯, 將業障洗去。 於汙穢風聲的最終落腳處, 陷入剎那一眠。 映出的太陽 染上緋紅色彩, 逐漸沉沒至 無比平坦的水面之下。 眼下,黃昏時刻。 無法相容的 浮生與自身 是真或是謊, 不停自問 劣等、上等,搖晃著頭。 黃昏中發白的四照花, 靜肅,抬頭望時便是天空一片。 雲層覆蓋遮掩的,鏽藍色。 啊啊,微溫的石礫, 敲上後背。 啊啊,五月雨啊。 願你能濡濕我身, 釋放疾雷, 洗去一片幽暗。 於汙穢風聲的最終落腳處, 陷入剎那一眠。 在哭至疲憊, 蹣跚而行的夜裡, 輕盈,浮上的 那團朦朧月。 展開的今日、 或捨去的昨日, 希望能將其全部遺忘, 而全部消失。 吶,五月雨。 願你能濡濕拂曉, 溶化黑影, 照耀我身。 將汙穢的這手一同帶上, 陷入剎那一眠。 啊啊,五月雨啊。 願你能濡濕我身, 浸我於過錯, 將業障洗去。 於汙穢風聲的最終落腳處, 陷入剎那一眠。
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サミダレ 機種:PC 作・編曲者:竜ライター サークル:RebRank 発売年:2004年 概要 AmusementMakersのメンバーで結成されたサークルRebRankによる縦スクロールシューティング。 Project Blankの第1作目である。 竜ライター氏作曲の音楽の評価は高い。 一部のステージでZUN氏がデザインしたキャラクターと作曲した音楽のアレンジが使われている。 ただし、ZUN氏はキャラクターと音楽の使用許可を出しただけで製作には携わっていない。 収録曲 曲名 補足 作・編曲者 順位 Samidare Title Tittle Screen 竜ライター Leave the Nest Stage 1 Flame-Pillar Stage 1 BOSS blue HELiX Stage 2 Halberd Stage 2 BOSS Ordinary Morning Stage 3 Acid Rain Stage 3 BOSS Acid Rain Rebirth Stage 3 Boss Rebirth Evaporation[Normal End] Ending 1 Way to the West Extra Stage – Part1W Chicane Extra Stage – Part2G East of Eden Extra Stage – Part3E r.r.R. Extra Stage – Part4N Meets the Gates Extra Stage Boss 1 ZUN 竜ライター Broken Strawberry ShortCake Extra Stage Boss 2 第6回801位パソコンゲーム253位 Atmosphere2[Good End] Ending 2 竜ライター Compressed Mind Bonus Track 1 On the Road/After the Rain Bonus Track 2 サウンドトラック SAMIDARE ORIGINAL SOUNDTRACK + SAMIDARE ARCHIVE M.R.S. REPORT サウンドトラックだけではなく、五月雨の世界観やキャラの設定 開発者インタビューも掲載された冊子も付属、そしてゲーム本体も 同梱できる特製パッケージ仕様と非常に凝られたファンアイテム PV 前半パートは五月雨、後半パートはRefRain
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忍法・五月雨(にんぽう・さみだれ) 概要 忍法・五月雨とは五月雨のような流れる連撃を敵に叩き込む魔鏡技。 初出はレイズのすず。 登場作品 + 目次 レイズ 関連リンク派生技 関連技 ネタ レイズ 習得者 藤林すず 五月雨のような流れる連撃を敵に叩き込む魔鏡技 分類 報酬魔鏡 属性 水 HIT数 8 消費MG 100 威力 700 増加MR 20% 習得条件 魔鏡「ユークリッドのくノ一」を入手 発動条件 MG満タンの状態で発動 強化1 ミラージュレシオが追加で5%加算 強化2 自身のHPが10%回復する 強化3 敵ののけぞり時間+0.1秒 強化4 自身のHPが10%回復する 強化5 ミラージュレシオが追加で5%加算 五月雨のような流れる連撃を敵に叩き込んで打ち上げる。最後の一撃で水の力が弾け、着地と同時に敵が地面に叩き付けられてトドメを刺す。 使用時に最大HPの20%分、HPを回復。 カットインはなりダンXのものを使用。 台詞 仕留めます!忍法・五月雨!! ▲ 関連リンク 派生技 ▲ 関連技 五月雨 ▲ ネタ ▲
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龍王院 五月雨 【揺】龍王院 五月雨 【果】龍王院 五月雨 【図鑑76】 【図鑑163】 【図鑑209】 【果】龍王院 五月雨(りゅうおういん さみだれ) SSR SSR-Max SSSR[覚醒] 「これよ、これ!降り注ぐ赤い雫!」 「」 「姿は見えぬが、盟友たちが降臨した証に違いない!実態がないのは、きっと供物が不足していたのだろうな。」 これをこうして積み上げて…あとは供物を捧げれば全てが整う。時間と金はかかってしまったが、我が盟友たちもこれ姿を見せるであろうよ。 ふっ、ならば次はもっと新鮮な贄を用意して迎え入れようではないか。待っていろ、わが友たち! コスト24成長型普通 Lv1⇒100攻撃8400⇒__防御6920⇒__特攻4030⇒__特防3830⇒__ 前衛[暴]磔刑スウィーティ消費手札P 40単体使用回数 1回[攻撃][敵1人][増加][自身][対象自身にダメージ効果付与][暴の構え 全サポスキ無効化・サポスキ発動率増加][ダメージ軽減なし][反射・受け流し不可][1回] 後衛[暴]制裁イノセント消費手札P 30単体使用回数 1回[増加][味方全員][特殊条件 マイナスリセット・マイナス転換][複数奥義効果][智の構え 回数消費なし][暴の構え準備時間短縮・暴の構え+3・回数消費なし・特定スキル使用数増加][2回] サポート[暴]紅雨エフェメラル単体使用回数 制限なし[確率発動][ダメージ・ダウン効果軽減][増加][自身][暴の構え 発動率2倍][【諸刃】暴の構え 確率でダメージ効果無効][敵前衛状態異常 効果・発動確率増加] 【状態異常 狂気】・敵1人に極大ダメージを与え、自身の攻撃が極大アップする。・攻撃対象が使用する攻撃・必殺スキルで発生したダメージを対象自身が受ける効果を2回まで与える。・暴の構え発動時、相手の発動したサポートスキルをすべて無効化する。・このスキルは[制裁イノセント]以外でのスキル使用回数を増加する効果と消費しない効果の影響を受けない。・覚醒の構え発動中以外に使用すると、サポートスキルの発動率が増加する。・このスキルはサポートスキルによるダメージ軽減の影響を受けず、反射、受け流しすることができない。・レベルが上がると威力と効果がアップする。 ・味方全員の全パラメータが特大アップする。・更にアップ対象にマイナス状態のパラメータがある場合、そのマイナス値をリセットし、リセットした値の100%を自身と気絶者含む味方前衛全員に上乗せする。・自身にマイナス状態のパラメータがある場合、マイナス値をリセットした上で応援する。・智の構えの効果も受ける。・智の構え発動時、効果は得るが残り有効回数を消費しない。・暴の構え準備中に使用すると、準備時間を30秒短縮する。・準備時間を短縮した場合、暴の構え発動時の有効回数が3回増える。・暴の構え発動時、効果は得るが残り有効回数を消費せず、[磔刑スウィーティ]のスキル使用回数が残り0回の時、同スキル使用回数が1回増える。・レベルが上がると効果が増加する。 ・一定確率でダメージとパラメータダウン効果を大きく軽減し、更に自身の防御・特防が大アップする。・暴の構え発動時、発動確率が2倍になる。・【諸刃】暴の構え発動時、高確率で受けるダメージを無効化する。・敵前衛が状態異常の場合、効果と発動確率が更にアップする。・レベルが上がると発動確率と効果が増加する。 前衛に継承枠有り 出現日20__/__/__取得方法
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《妖刀・五月雨》 イベントカード コスト3/赤 ボーナスアイコン RANK+1 [アタック/両方]自分の【巫女】を持つキャラ1枚は、 ターン終了時までCP+2000/ランク+1を得る。 そのキャラがこのターン中に相手のキャラを退場させた場合、 デッキの上のカード1枚を表向きでコネクトゲージに移す。 そもそも、この妖刀にまつわる伝説は、義経の時代に遡る! TVアニメ版「STEINS;GATE」で登場した赤色のイベントカード。 関連項目 【巫女】 収録 TVアニメ版「STEINS;GATE」 01-077 R
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五月雨日記 山本周五郎 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 《》:ルビ (例)爺《じい》 |:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号 (例)若|旦那《だんな》 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定 (例)[#5字下げ] ------------------------------------------------------- [#5字下げ]一[#「一」は中見出し] 「爺《じい》……なにを考えている」 「別になにも、考えてはおりませぬ」 「紀州へ帰りたいのだろう」 伊兵衛《いへえ》は、餌《えさ》を替えた鉤《はり》を遠く投げ、竿《さお》を足許《あしもと》の土堤《どて》へ突き刺しながら云《い》った。 大井川から分流して、静浜の海へ注ぐ大須《おおす》川は、五月雨あけで水嵩《みずかさ》が増し、ふだんは裸になっている磧《かわら》をすっかり浸して、堤の根までひたひたと漣《さざなみ》を寄せていた。月に二度だけの好きな夜釣りに、いつもなら、主人より自分の方で夢中になる筈《はず》の弥助《やすけ》が、なんとなくとぼんとして、気の浮かぬ様子だった。 「さようでござります」 弥助はややしばらくして云った「……お国表のことを考えますると、矢も楯も堪《たま》らず帰りたくなりまする。もう五年になりまするで」 「だから爺は帰るがいいのだ」 「若|旦那《だんな》さま」 弥助は、非難するように主人を見た、伊兵衛は、その端正な横顔を提燈《ちょうちん》の光に染めさせたまま、黙って自分の竿さきを見まもっていた。 伊兵衛には、老僕の気持が、よく分っていた。 弥助は、伊兵衛を幼少の頃から、自分の手で育てたようなものである。伊兵衛は、紀伊徳川家の郡奉行《こおりぶぎょう》、中根吉郎兵衛《なかねきちろうべえ》の長男に生れたが、剣法の才分に恵まれて、十九歳の時すでに、紀伊藩中五剣の一に数えられたくらいであった。 早くから彼は、生涯を剣の求道に捧《ささ》げようと決心していたが、父は自分の跡目を継がせるために、どうしても許さなかった。それでついに彼は家を出奔し、修行の旅に出たのである、……弥助は一緒についてきた。いかに諭《さと》しても帰らなかった。伊兵衛を背に負って守をする時代から、ほとんど側を離れたことのない老僕は、若主人の落着く先を見届けぬかぎり、骨になってもついてゆくと云った。 伊兵衛の遍歴は、四年続いた。そして去年、この駿州《すんしゅう》田中まで来て病気に罹《かか》り、困窮しているところを城番本多家の老職、介川外記《すけがわげき》に救われた。それが縁で外記に懇望され、家中の士に教授するため、道場を持ったのである。……外記はいずれ主家へ正式に師範として推挙すると約束してくれたが、老僕弥助は不平であった。 ――紀伊へ帰れば、郡奉行の御子息だ。困窮を救ってもらった礼は、帰国してからでも充分にできる。 なんのために、四万石の城番などへ仕官するのか。口には出さないが、彼はそう思っている。……伊兵衛は、それをよく知っていた。 「妙な噂《うわさ》があるのを、御存じでござりますか」 忘れた時分に、弥助がぽつんと云った。 「……どんな噂だ」 「若旦那さまと、介川さまのお嬢さまとのあいだに、許嫁《いいなずけ》の約束ができたとか」 伊兵衛は、黙っていた。かなりながいこと黙っていたが、やがて空を振仰ぐと、 「ああ、すばらしい星だな」 まるで、つかぬことを呟《つぶや》いた。 そのとき、三十間ほどの上手《かみて》で、なにか川の中へ落ちたらしいかなり大きな水音がした。周囲は見渡すかぎりの水田で、べた一面にけろけろとやかましく蛙《かえる》が鳴いていたが、それでもその水音は、二人をぎょっとさせたほど高く聞えた。 ――なんだろう。 一緒に振返って耳を澄ますと「がぶっ」という、人の喉《のど》で水の鳴る音が聞えた。 「人です、人が落ちたので……」 弥助が反射的に云った。伊兵衛は、とっさに帯を解きながら、 「灯を見せろ」 と立上った。 弥助が提燈を取って、川の上へぐっと差伸ばした。伊兵衛は、くるっと裸になり、両耳へ唾《つば》を塗りながら、水面を睨《にら》んだ。……すると間もなく、黒い波のなかを、魚が跳ねるように、ぱしっと水を打ちながら、流れてきたものがある、一瞬にして沈んだが、 「あ、あそこに……」 と弥助が指差すより早く、伊兵衛の躰《からだ》は、飛沫《ひまつ》をあげながら、水の中へ跳込んでいた。 伊兵衛は、ぽかっと頭を出した。弥助は提燈を差伸ばしながら、流れについて下った。いちど水面に頭を出した伊兵衛は、すぐまた鳰《かいつぶり》のように潜った。……堤の上をさがってゆく弥助の足が震えた。 「若旦那さま、もうお止《や》めなされまし」 たまりかねて叫んだとき、思ったよりは下の方で水音がし、ひゅうと息を吐くのが、水面を伝って聞えた。 「若旦那さま!」 「こっちだ。……手を貸せ」 弥助がはせつけると、伊兵衛が誰かを抱いて、汀《みぎわ》へあがってくるところだった。弥助はがくがくと戦《おのの》く足を踏みしめながら、その方へ下りていった。 伊兵衛が救いあげたのは、若い女であった。 弥助がそっと、部屋へ入ってきた。伊兵衛は、寝衣《ねまき》になって、のべてある床の上にぽつねんと坐《すわ》っていた。 「……落着いた様子か」 「もう大丈夫のようでござります」 「どこの者だ」 「それが分りませんので」 弥助は坐りながら「なにを訊《たず》ねても物を申しません。まるで蓋《ふた》をした栄螺《さざえ》でござります。よほどこみいった事情があるのでございましょうが、……それよりも若旦那さま、あの娘は身重でござりますぞ」 「やはり、そうか」 「それも爺の眼に狂いがなければ、もう産み月だと思われまする。どうもこれは、厄介なことになるのではござりますまいか」 「まあ明日のことにして、寝よう」 伊兵衛は、横になりながら、 「……爺は隣の部屋に寝て、注意していてくれ。思い詰めている様子だから、また過《あやまち》でもあってはならぬ」 「とんだ夜釣りでござりました」 弥助は、苦笑しながら去っていった、……そして向うでそっと襖《ふすま》を明ける音がしたと思うとたん、だだと烈《はげ》しい物音が起り、 「あ、危い、なにをする、危い!」 と動顛《どうてん》した弥助の声を縫って、 「お放しください、放して」 女のつきつめた叫び声が聞えた。 伊兵衛は、すぐに走っていった。隣の部屋から射《さ》しこむ行燈《あんどん》の光の下に、脇差《わきざし》を持った女の腕を、弥助が懸命に押えているところだった。……伊兵衛は弥助を押し退け、脇差を奪って女を突放した。女は畳の上へ俯伏《うつぶ》せに倒れて、わっと泣きだした。 「馬鹿《ばか》なことをする」 弥助を去らせて、女の側へ坐りながら、伊兵衛は静かな口調で云った。 「ここで間違いを起したら、拙者に迷惑がかかるくらいのことは、分る筈ではないか。あまり勝手なことをされては困る。……いったい、どうしてこんな不所存なことをしたのだ」 「……申訳ございません」 「身一つならまた別だが、おなかにあるものまで殺すとは、無慈悲な仕方だ。どうしてこんなことをするのか、訳を話してごらんなさい。……家はどこです、どんな仔細《しさい》があるのだ」 女は答えなかった。痛々しく、背が波打っている。噎《むせ》びあげる声は、まるで命を搾《しぼ》るもののように悲痛だった。 「縁あってこうして助けたからには、できることなら、拙者が力になろう。この世でできたことならこの世で解決がつく筈だ、どんな仔細か話してごらんなさい」 「……どうぞ、なにも、お訊ねくださいますな、わたくしが……」 女は涙に噎びながら云った「……わたくしが愚かだったのです。訳はただそれだけでございます。自分の過を、自分で始末したいと、存じたのでございます」 「死ぬことで始末がつきますか」 「…………」 「自分が死ぬのはともかく、おなかの子を殺す権利は貴女《あなた》にはあるまい。子供は神のもの、国のものだ、貴女にはその子を生み、育てる義務はあっても、殺す権利はない」 「でも、……この子は、……生まれない方が、仕合せでございますもの」 女はそう云って、再び泣いた。 子を殺すことも、また母親の大きな愛情の一つである。それが正当であるかどうかは別として、子供の仕合せを願う母の愛は、その仕合せが絶望だとみれば、愛情のゆえに子を殺すことができる。……この女は、いま自分のことよりも、生れてくる子の不仕合せを思って、死のうと決心したのだ。伊兵衛には、その気持がよく感じられた。 「死んではいけない」 彼は静かに云った「……どんな過でも、この世で取り返しのつかぬことはない。人間はみな弱点を持っている。誰にも過失はある、幾度も過を犯し、幾十度も愚かな失敗をして、そのたびに少しずつ、本当に生きることを知るのだ。……それが人間の、持って生れた運命なのだ」 「…………」 「もう仔細も訊《き》かないし、できるだけの世話はして差上げる。だから決して馬鹿なことをしてはいけない、……分りましたか」 「……はい」 女は、消え入るような声で云った。しかし……すぐその後で、俯伏したまま急に身を捻《ひね》ったかと思うと、噎びあげる声の下から苦しげに呻《うめ》きだした。 ――いけない。 しばらく見ていた伊兵衛は、その呻き声の原因に思当って慌《あわ》てた。そしてすぐに立っていって、弥助を呼んだ。 「……どうなされました」 「なんだか苦しそうだ、産れるのではないかと思う、医者を呼んできてくれ」 「取揚げ婆《ばばあ》でござりましょう」 弥助は提燈を取りながら「……よろしゅうござります。そうすぐ産れもいたしますまいが、とにかく呼んでまいります」 「急いでくれ、もしもの事があると困る」 「全く、……大変な夜釣りでございましたな」 弥助は、裏口から出ていった。 [#5字下げ]二[#「二」は中見出し] 「中根さま、……中根さま」 木戸を明けて、そう呼びながら、武家風の娘が一人庭へ入ってきた。 初夏のよく晴れた朝の光に、庭の青葉が染めたような濃緑の影を落している。娘は背丈のすらりと高い、研いだような肌の、眼の覚めるような美貌《びぼう》をもっていた。どこやら陶物《すえもの》のような冷たさはあるにしても、その美しさは、人の眼を瞠《みは》らすに充分である、……本多家の老職、介川外記の娘なぎさ[#「なぎさ」に傍点]であった。 「中根さま……」 縁先まで近寄ったとき、庭の横手から、伊兵衛が顔を拭きながら現われた。 「やあこれは、……失礼いたしました」 「お早うございます」 「いま顔を洗っていたところです」 「昨夜のお夜釣りは如何《いかが》でございました。沢山お釣りあそばしまして」 「なに一尾も釣らずじまいでした」 「まあ、それではさぞ父が残念がりましょう。今度は鮎《あゆ》が釣れるだろうと申して、楽しみにしておりましたわ」 「どうも魚がだんだん利巧になりましてね」 伊兵衛は笑いながら、ちらと奥の方へ眼をやった。上れと云《い》うかと思ったが云わず、いつもと違って妙に取付き悪い気配が見える。……なぎさ[#「なぎさ」に傍点]は抱えていた包を差出しながら、 「手作りで美味《おいし》くはございませんけれど、お口汚しに、笹餅《ささもち》を少し持ってまいりました。ほんのお口汚しでございますの」 「それはどうも、いつも頂くばかりで……」 伊兵衛は受取った包を持って、座敷へ上っていったが、間もなく袱紗《ふくさ》だけ畳んで戻ってきた。……そしてやはり上れとは云わずに、 「結構なものを有難うございました。いずれお重はお返しに参上いたします。……お独りでいらしったのですか」 「あまり綺麗《きれい》な朝だったものですから……」 「そうですね、実に、……よく晴れました」 なぎさ[#「なぎさ」に傍点]は、ちらと男の眼を見た。 伊兵衛はふと思いついたように、庭隅の方へ行って、苧環《おだまき》の花を三四本折ってきた。鮮かな紫色の花が、眼にしみるようだった。 「途中のお慰みです」 そう云って差出すのを、なぎさ[#「なぎさ」に傍点]は帰れという意味だと悟りながら受取った。……微《かす》かではあるが、彼女の眉《まゆ》にちらと怒りの影がさした。 伊兵衛は、取って付けたような挨拶《あいさつ》をしながら、なぎさ[#「なぎさ」に傍点]を木戸の外まで見送って、戻るとすぐ、奥の部屋へ入っていった。……そこでは弥助が、女に粥《かゆ》を喰べさせているところだった。女の側には、赭《あか》い顔をした小さな嬰児《えいじ》がちんまりと眠っていた。 「やあ、よく眠っているな」 伊兵衛は中腰になって覗《のぞ》きながら、 「……柔かそうな髪毛だ、艶々《つやつや》と黒くて、いまに美しく髪が結えるぞ。……もう乳はやったのですか」 「いいえ、産れてから十二|刻《とき》は乳をやらぬものだそうですから」 「それでは、おなかが空くだろうに」 云いながら、伊兵衛が、つと手を伸ばすと、 「若旦那さま、いけませんぞ」 と弥助が急いで制した「……まだ搗《つ》きたての餅《もち》のようなものでござります。むやみに触って、怪我《けが》でもさせてはなりません」 「なに、触りはしないよ。顎《あご》へ夜具がかかっているから……」 そっと夜具を押える振りをして、伊兵衛は嬰児の顎をちょっと摘《つま》んだ。ちまちまとして、そのくせもういっぱし形のととのった可愛《かわい》い顎であった。 喰べ終った物を片付けて、弥助が去ると、伊兵衛はそこへ坐りながら、 「こうして赤子の顔を見たら、もう心も落着いたであろう。それでとにかく、知らせるところがあったら、一応は知らせておく方がいいと思うが」 「……はい」 「親御たちも案じていよう、子の父にも黙っている訳にはいくまい」 女は黙っていた。黙って眼を閉じていたが、やがて呟くような声で云った。 「……勝手なことを、申上げてもよろしゅうございましょうか」 「なんでも遠慮なく」 「……わたくしが、死のうと決心いたしましたのは、この子を誰にも知られたくなかったからでございますの、……この子は、わたくし独りの子でございます。……どこへも知らせてやる処《ところ》はございません。誰にも知られたくはございませんの」 「父になる人を庇《かば》っているのですね。これが表沙汰《おもてざた》になっては、当人のために不都合だというのですね」 「わたくし、……強くなりますわ」 女はしばらく黙っていた後、低くはあるが、力の籠《こも》った調子で云った。 「……人間は過を繰返しながら、そのたびにだんだんと、本当に生きる道を悟ってゆく、……昨夜のお言葉が、なによりの力になりました。もう弱い心は起しませんわ。わたくし、自分の過の取返しをいたします。この子を立派に育ててまいります。……もし肥立ちますまで、誰にも知られずこのお部屋に置いて頂けましたら、それですぐお暇《いとま》をいたします」 恋の過失か、結婚の失敗か。 恐らく秘めた恋の過失であろう。子ができて、男の心が去って、死を求めた。世間には多過ぎるほど有触れた例だ、……けれど彼女はいま絶望から立戻って強く生きようとしている。過の責任を自分独りで負い、自分の力で過失の罪を取返そうとしている。子を持ったことがその力と勇気とを与えたのだ。伊兵衛は女の眼の光を美しいと思った。 「これからどうなされます」 居間へ戻ると、弥助が待兼ねたように云った。 「……今日は稽古《けいこ》休みゆえよろしゅうござりますが、明日から門人衆がみえるのに、この狭い家のなかで、もし赤子の泣き声でも聞えましたら」 「いや、稽古は当分休むよ」 「そんな御勝手はいけません」 「どうして、別に本多家から扶持《ふち》を貰《もら》っているわけではなし、介川どのにそう申せば、半月や一月休んでも差支えはないさ」 「それはまあ、そうかも知れませんが」 老僕は、不承知の様子だった「しかし、御門人がみえませんでも、世間の耳は早うござりますからな。知れぬうちに、よそへ移す方がよろしいかと存じます」 「いずれにしても肥立つまでは面倒をみてやる。……この家を頼りにしているのだから、そんな無情なことを申してはならん」 弥助はひょいと、肩をすくめた。そして白髪頭を振りながら、独り言のように呟《つぶや》いた。 「爺は、紀州に帰りとうござりますわい」 伊兵衛は、聞えぬ振りをしていた。 午《ひる》の食事をしてから、伊兵衛は本町の介川家を訪れた。……外記は長男の伊織《いおり》と、碁を打っているところだった。伊織は二十五歳になる中小姓で、やはり伊兵衛のもとへ稽古に通ってくるが、妹のなぎさ[#「なぎさ」に傍点]に似て、色白の、どこか女性的な感じのする美男であった。 「いま父を追詰めているところです」 伊織は、媚《こ》びるような眼で笑いながら「……十局勝負で、全勝したら京見物にやってもらえる約束なんですが、どうやら物にしましたよ」 「なに、こっちはこれから勝つのだ」 外記は、子に甘い親の独特な調子で、 「京見物は、まだ二三年先だと覚悟するがよい。ひとつ中根氏の検分で、真の腕を見せてくれようか」 「父上の真の腕も久しいものだ。こうまいりましょう」 伊兵衛は半刻ほど見ていたが、やがてしばらく稽古を休むからと云い残して辞去した。……なぎさ[#「なぎさ」に傍点]はついに顔を見せなかった。 ――怒っているのだな。 伊兵衛は、ちょっと淋《さび》しかった。 一月ほどまえに、外記がなぎさ[#「なぎさ」に傍点]との縁談を持出したとき、伊兵衛は貰ってもいいと思った。外記には、困窮を救われた恩があるし、なぎさ[#「なぎさ」に傍点]は美しく、気質も凜《りん》として怜悧《れいり》である。家柄もお互いに程々のところで、まず似合いの縁組と云うべきだ。正式なはなしは仕官が実現してからという外記の希望で、伊兵衛はまだ弥助にも話してなかったが、それ以来は、なぎさ[#「なぎさ」に傍点]を見ることが、ひそかな温かい感動のひとつになっていたのである。 ――しかし、話せば分ることだ。 眉のあたりに怒りを見せていた、朝の別れの表情を思い浮かべながら、伊兵衛はまっすぐに家へ帰った。 順調に日がたった。 七夜には、伊兵衛が名付け親になって「みどり」と名をつけ、赤飯を祝った。女は肥立ちもよく、乳も多かった。……ぐんぐん健康を取戻して、一日毎に肌も冴《さ》え、血色が甦《よみがえ》ってきた。名は小夜《さよ》、年は二十というだけで、氏も素性も知れなかったし、縹緻《きりょう》もとびぬけて美しい方ではないが、愛情に濡《ぬ》れたような眼許《めもと》や、薄墨で刷《は》いたような生毛《うぶげ》の眉、ものを云うとき、ちょっと左へ歪《ゆが》める癖のある唇つきなど、いかにも心の温かさを思わせる、上品なおっとりとした魅力をもっていた。 ――誰か知らぬが、馬鹿な奴だ。 伊兵衛は、つくづくと小夜を見ながら思った。……これだけの姿と、これだけの心を、いちどは子を生《な》すまでに愛しながら捨去るとは。 「わたくし、こんな恰好《かっこう》で」 ともすると自分を瞶《みつ》めている伊兵衛の眼に気付いて、小夜は羞《はずか》しそうに頬を染めた。 「さぞお眼障《めざわ》りでございましょう」 「いやそんなことはない、顔色もすっかり良くなったし、あの時にくらべると見違えるほど美しくなった」 「そうありたいと存じますわ」 小夜は嬉《うれ》しさを、正直に見せて云った「……これまではわたくし、自分を不縹緻《ぶきりょう》だと思っておりました。他人より劣っていると思いました。けれど、これからは美しくなろうと存じますの。誰よりも利巧に、強く、正しくなろうと存じますの、……この子のために」 振返って嬰児の顔を見た眼は、もはやどんなものにも犯されない美しさと力とに輝いていた。伊兵衛は感動しながら、それを見まもっていた。 [#5字下げ]三[#「三」は中見出し] 二十日ほどたったある日。 伊兵衛は、外記に呼ばれて、介川家を訪ねた。そして客間に、外記と相対したとき、ただちに呼ばれた用件が、なんであるか分った。……外記は不機嫌な表情で、伊兵衛から眼を外らしながら、単刀直入に切出した。 「簡単に申上げるが、かねてお約束してあった主家へ御推挙のことは、一時|諦《あきら》めて頂くことにしたから、御承知を願いたい」 「……なにか、不都合でもございましたか」 「理由は、申さぬ方がよいであろう。ついてはなぎさ[#「なぎさ」に傍点]とのあいだにも、なにやら口約束がしてあったようだが、これも破約にしたいと思うから、そのつもりで」 「お言葉はよく分りました」 伊兵衛は静かに「……お耳に入ったことがなんであるか、拙者にも大体は察しがつきます。もしお許し願えるなら、仔細《しさい》申開きをしたいと存じますが」 「もうその必要はあるまい」 外記は冷やかに云った「……小夜は当家の小間使いであった。貴公が見えてから間もなく暇を取ったが、城下外の大須村に、身重で囲われていたことも、二十日まえに子を産んだことも、こちらにはすっかり分っておる」 「小夜が御当家に……」 伊兵衛は、愕然《がくぜん》とした。 小夜が、この家の召使いだったという。それでは、……なにを訊《き》いても頑として答えなかったのは、自分がこの家へ出入りしていたのを見知っていたためではあるまいか。自分がこの家の知己であるために、話すことのできぬ立場になったのではあるまいか。……伊兵衛の頭には、光のように閃《ひら》めくものがあった。 「仰《おお》せの趣、よく分りました」 伊兵衛は、しかし温和《おとな》しく頭を下げた、 「……いずれ申上げることもございますが、今宵はこれで失礼|仕《つかまつ》ります」 「もう会う要はないと思う、訪ねてもらわぬ方がよいな」 「いずれにしましても、改めて……」 逆わずに、伊兵衛は立った。 門を出て、塀沿いに十間ほど歩くと、待っていたなぎさ[#「なぎさ」に傍点]がすっと前へ出てきた。……宵月の光を浴びた顔は、怒りと疑いをつきまぜて、日頃の美しさに凄艶《せいえん》を加えていた。 「中根さま、御弁明を伺いたいと存じます」 「貴女《あなた》も御存じなのですか」 伊兵衛は会釈《えしゃく》をしながら笑った「……御存じなら仕方がないが、まるで誤解ですよ。お父上も貴女も誤解しておいでです」 「では小夜の産んだ子はどなたの子です。どうして貴方《あなた》が世話をしていらっしゃるのです」 「その事情は一口には申せません。実を云うと拙者はまだなにも知らないのです。あの女は不仕合せで、死のうとさえしました。貴女にもお分りであろう、女というものは与えられる愛情によって仕合せにも不幸にもなるものだ、誤った愛情がどれほど残酷に女を罰するか、あの女はそれを命がけで味わったのです。もし拙者が救わなかったら、あの女はとうに死んでいたことでしょう」 「小夜が仕合せか不幸か、わたくしの知ったことではございません。……わたくしは、貴方のはっきりした御弁明が伺いたいのです。小夜と貴方とが、なんの関《かかわ》りもないということは信じましょう、では……産れた子の父親は誰です。事情もよくお分りにならないのに、どうして今日まで世間に内密で、お世話をなすっていたんです」 伊兵衛は、ほとんど感歎《かんたん》しながら、なぎさ[#「なぎさ」に傍点]の舌鋒《ぜっぽう》を聞いていた。みんなもっともな言葉である。正に条理の通った無駄のない詰問《きつもん》だ、……しかし、なんと冷たい言葉であろう。なんと鮮かに割り切った感情であろう。伊兵衛は聞いている僅《わず》かなあいだに、さばさばと彼女から切抜けることができた。 「弁明はしないことにしましょう」 彼は微笑さえしながら云《い》った「……したところで分っては頂けまいから。しかし一言だけ申上げておきます。小夜が囲われていたという大須村を、もっとよくお調べになると、まだまだ意外なものがみつかるかも知れませんよ」 「それはどういう意味ですの」 「貴女の解釈に任せます、失礼」 伊兵衛は、月に反《そむ》いて歩きだした。 武家町を出端《ではな》れたところまできたとき、伊兵衛はふっと背後にものの気配を感じた、それは極めて微《かす》かな予感に似たもので、危険に対する敏感性を練磨している者だけが感じられる、漠然とした感覚に過ぎない、……伊兵衛は即座に、なにが来ようとしているかを判断することができた。それでわざと歩調を緩め、右手へ廻った月を眺めながら、歩いていった。 東海道の藤枝宿へ通じる道が、月を浴びて白々と延びていた。町家をぬけると左が田、右手が諏訪《すわ》の森になっている。背後から追ってきた影は、そこで急速に間を縮めた。 襲いかかった相手は、三人だった。 無言のまま斬《き》りつけ、無言のまま受けた。烈《はげ》しい掛け声と地を蹴《け》る音と、四本の白刃の光が、凄《すさま》じく月光の下に跳《おど》った。……しかしほとんど十秒とたたぬ間に、二人を峰打ちに打伏せ、伊兵衛は若い一人を森の中へと追詰めていた。 「やはり貴様だったか」 伊兵衛は冷笑しながら云った「……黙っていれば分らずに済んだかも知れないのに、自分の罪を他人になすろうとして、かえって馬脚を露《あら》わした。あれが貴様の家の召使いだということは、拙者は知らなかったのだぞ。小夜も決して洩《も》らしはしなかったのだ、伊織の馬鹿《ばか》め!」 相手は、肩で息をしていた。青眼《せいがん》につけている剣の半ばから先が、月光を映しながら、ぶるぶる震えていた。 「小夜は、貴様を愛したことを恥じている。子供も自分独りの子だと云っている。貴様が黙っている限り、小夜は死んでも、貴様のことなどは口にしなかったろう。だが……貴様は卑劣な奴《やつ》だ、小夜を捨て、その罪を他人にきせようとし、大須村を調べろと云うのを聞いて、拙者が事実を知っているものと思い、助太刀を頼んで斬ろうとまでした。……人間の風上にも置けぬ奴だ。武士なら斬ってこい、……さあ斬ってくるんだ」 相手は、自ら死地に突込むように、躰《からだ》ごと叩《たた》きつけてきた。そして伊兵衛に外ずされると烈しくのめって、木根に躓《つまず》きながら二三間先へ転倒した。……それでもう起上ることもできず、顔を地に伏せたまま喘《あえ》いでいた。 「よく聞いて置け、伊織」 伊兵衛は、側へ寄って云った「……本来なら斬るところだが、命は助けてやる。それから小夜のことも、他言はせぬ。外記どのには恩になっているし、あの人は善人だ、外記どのに歎《なげ》きをみせたくないから黙っていてやる、……少しでも恥を知ったら、人間らしい生き方をしろ、しかし断って置くが、小夜はもう戻らんぞ」 伊兵衛は、静かに刀を納めた。 家へ帰った彼は、出迎えた弥助を見るといきなり、……紀州へ帰るぞと云った。老僕は眼を剥《む》きながら、唖然《あぜん》としていた。 「本当だよ、これから出立だ」 「なにを、……なにを仰有《おっしゃ》るやら」 「ながいこと、紀州紀州と歌に唄《うた》っていたな、今度こそ、本当に帰るんだ。しかも妻と子を伴《つ》れての帰国だぞ、爺《じい》!」 「若|旦那《だんな》さま!」 「大きな声をするな、これはまだ内証だ」 伊兵衛は笑って云った「……とにかく、少し仔細があって、今宵のうちに、躰《からだ》だけでも田中を立退かなければならん、行って駕《かご》を呼んできてくれ」 「いまのいまのお話は」 弥助は吃《ども》り吃り云った「まさか、小夜どののことではござりますまいな」 「そうだったら不服か」 弥助は、白髪頭を振って、ひょいと肩をすくめた、そしてどうにも仕様がないと云うように、ぶつぶつと口のなかで呟《つぶや》いた。 「全く、……とんだ夜釣りでござりました」 そして、町の方へ出ていった。 伊兵衛は、小夜の部屋へ入った。……小夜は、いまの言葉を聞いたものとみえ、夜具の中から濡れたような眼をいっぱいに瞠《みひら》いたまま、入ってくる伊兵衛の顔を見まもった。 「少し無理かも知れないが、起きて支度をしてもらわなければならない。そしてもしそうする気があるのなら、この子と一緒に紀州へ行ってもらいたいのだ」 「わたくし……」 「なにも云わなくていい。子は神が授けたものだ。御国の宝とさえ云う、どんな子も、仕合せに育つ権利を持っている、本当に子を仕合せに育てる者が、子の親だ、……伊兵衛は、みどり[#「みどり」に傍点]の父親になる」 吸着くように、伊兵衛を見上げていた小夜の眼から、湯のような熱い泪《なみだ》が溢《あふ》れ落ちた。 「いいか」 伊兵衛は、力を籠《こ》めて云った「……小夜は今までに誰も愛したことはないのだ。空に描いた自分の愛情を愛しただけだ。なにもかも新しく、なにもかもこれから始まるのだ。……一緒に紀州へ行こう、厭《いや》か?」 小夜の喉《のど》を、嗚咽《おえつ》がつきあげた。伊兵衛は、そっと小夜の手を握った、……柔かな、温かい手であった。そして、握られた手の中で、少しずつ指に力を入れながら、小夜は泊に噎《むせ》ぶ声で云った。 「わたくし、……美しくなりますわ……」 「そうだ、美しくなるんだ。今でも美しいが、もっと美しく、もっと強く、……二人で新しく始めよう」 小夜は笑おうとした、それでかえってわっと泣きだしてしまった。……伊兵衛は、高邁《こうまい》な音楽でも聴くときのような歓《よろこ》びに充《み》ちた気持で、その泣き声を聞いていた。 [#地から2字上げ](『島原伝来記』昭和十七年刊収録) 底本:「艶書」新潮文庫、新潮社 1983(昭和58)年10月15日 発行 2009(平成21)年10月15日 二十八刷発行 底本の親本:「島原伝来記」 1942(昭和17)年刊収録 初出:「島原伝来記」 1942(昭和17)年刊収録 ※表題は底本では、「五月雨《さみだれ》日記」となっています。 入力:特定非営利活動法人はるかぜ
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ラズロウィ=五月雨 基本情報 名前 Lazurowy Samidare 年齢 21 性別 男 階級 上等兵 所属・役職 身長 193cm 体重 97kg 誕生日 12/21 星座 射手座 血液型 O 利き手 右 通称ラズ。立てば巨神兵、座ればテディベア、戦う姿は熊ゴリラ。 好きな物はじゃがバタ、嫌いなものはわたあめ(食べ応えがないから)。 外見・能力 ポーランドと日本のハーフ。 黒髪の癖毛に紺碧の瞳。つり目+ジト目で開ききっていないため眠そうに見える。つり眉に近い緩やかなアーチ眉。表情や感情は乏しいがちゃんとある。 両耳に大量のピアスがある。ピアス集めは趣味。倒した敵の遺品を回収し、シャノンに加工してもらった物を付けている。単純にお洒落なのと、持ち主は変われどそのまま放置されるよりは身につけて貰う方が装飾品も喜ぶのでは?という理由。上官にばれたくないのでピアスは親しい相手にしか見せず、基本的に髪で隠している。 高身長に加え筋骨隆々の肉体から「熊ゴリラ」と呼ばれる一方で、包容力のありそうな印象から「テディベア」とマスコット扱いされることもある。 強力なパワーと底なしのスタミナを誇る。筋トレは趣味の領域。あまり器用な方ではないので、小技を効かせるより高火力でゴリ押ししていく戦法。 武器は軍刀。だがどちらかと言うと近接格闘の方が得意。 性格 マイペースで素直、穏やか。何事もあまり引き摺らず、楽天的な性格だが自己肯定感は低い。あまり輪の中心になって話すことはないが、人のノリにはよく便乗する。人間関係は来るもの拒まず去るもの追わず。他人に関係を迫られても二つ返事で了承してしまう位には拒まない。 ムッとすることはあるが怒ることは殆どない。怒ったとしても2、3日しないうちに冷める。 虐待された経験(後述)で身につけた感情を殺す術を戦場で応用している。辛いことを辛いと感じないようにすることで、強力なメンタル装甲を身につけている状態。そのため精神的な痛みにも身体的な痛みにも鈍感。 心身共に強くなることを目的に自分のために戦う。生への執着が強く、戦場でも生き残る気でいる。国への忠誠心は無い。しかしだからといって手を抜く、サボるといった行為はせず、むしろやるべき事はちゃんとやる。厳しい訓練であっても、それをこなすことで結果的に強くなれるのなら別に構わない。 両性愛者で両刀。愛が何なのか分からない。探るためにさまざまな相手と肉体関係を持ってみたが、未だに分からないまま。 過去など 父親は母親の妊娠が発覚した途端逃げた。そのためラズは父親に会ったことはおろか顔すら知らない。母親はお腹の子に罪はないからと産んだものの、精神的に弱っていたのとラズの容姿が日に日に父親に似てくることに耐えられなくなり虐待するようになる。その後児童養護施設に保護され、施設で育つ。過去の経験から常に自分は周りより劣っているという考えが刷り込まれている。 虐待されたのは自分が彼女より弱い存在だったからだと思っており、強くなればこの先きっと誰からも殴られることは無くなるだろうと考え、『もっと強くなりたい』という気持ちのもと肉体を強化し入隊を決意。 士官予科では、シャノン、ヴォルフ、ユリウスと出会い意気投合。入隊後も彼らとの付き合いは続いている。 他キャラクターとの関わり シャノン=イーストン シャノンのタチの悪さにノってヴォルフに窘められるまでがセット。正反対に見えて波長が一緒で3人の中でも特に距離が近く、近すぎて体の関係を持っているが恋愛感情は全くなくドライな上に、互いに踏み込まないラインはしっかり決めている。近くて遠い絶妙な関係。 ヴォルフガング=アーベライン ヴォルフの面倒見の良さにちょっと甘えている。正直構ってくれるのが嬉しくて窘められ待ちであえて悪ノリすることもある。腕枕ならいつでも歓迎。自分と違って真面目なヴォルフはすごい。 ユリウス=ダールグレン 良い奴なのは勿論分かっているが、痛みに対する考え方の違いからユリウスの弩マゾにだけは理解も賛同もできない。度が過ぎた頼みには怒る。でも数日で仲は元通り。筋トレ楽しいから一緒にやろうよ。 上記3人とは士官予科からの同期。ラズ含め4人まとめて「地獄」、「地獄4」と呼ばれている。仲の良い親友同士であり、出会えてよかったと思えるような存在。みんなすき。 テオドール=クライン 直属の先輩。戦闘能力の高さと頭の良さを尊敬しており、テオさんと呼び懐いている。よく人肌を求められてハグしたり抱き枕代わりになって添い寝したりている。 今後 昇進したとしても指揮を執るより前線にいることを望む。腕や足が1本飛んだぐらいでは引退せず義手義足で戦い続ける。何度か瀕死になってはその度に脅威の生命力で息を吹き返してきたが、ある日とうとう戦死する。死ぬ直前に地獄3人の顔を思い浮かべ、今叶わないなら死んでからでもいい、もう一度彼らに会いたいという気持ちから「地獄でまた会おう」という遺言を残す。 募集した要素 ピアス(大量) カーキ系の色 黄色系の差し色の布 癖っ毛 筋肉 軍刀
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サーバールール サーバールールサーバーについて はじめに 禁止事項 建築について 自治体制度について 公共交通について ※暫定版です サーバーについて はじめに、五月雨サーバーについて簡単に説明します。 サーバーには、すべての人が平等に楽しむことができるよう、サーバールールが決められています。必ず守るようにしてください。もし、ルールに違反するようなことがあれば、運営チームによりサーバーへの接続拒否(BAN)などの処分を行います。処分に対して疑問や意義がある場合は、チャットやSNSなどで運営チームに質問していただくか、処分に対する異議申し立てをお願いします。 はじめに 五月雨サーバー(以下当サーバー)はPCゲーム「Minecraft」におけるマルチプレイ用サーバーであり、一切のサービスを無償にて提供いたします。 また、当サーバーへの接続によって被ったすべての被害について、当サーバーは一切責任を負いません。 諸事情により、あらかじめ接続をお断りしている場合がございますので、何卒ご容赦ください。 以上の事項について同意していただける方のみ、下記禁止事項等をお読みください。 禁止事項 同意なしに他住民の所有物、建築物を改変、撤去する行為。 他住民に故意に危害を加える行為。 公序良俗に反する行為。 資源エリア、認可資源採取所以外で資源を採取する行為。 (認可資源採取所一覧) サーバーに負荷を与えるもの(クロック回路、TT等)を製作する行為。 (TT製作についてはこちらをご覧ください) 他住民に迷惑を与える行為。 誹謗中傷、暴言、差別、その他反道徳的行為。 スパム、宣伝に値する行為。 意図的なラグ、バグの使用行為。 割れアカウント、ハッククライアント、透過リソースパックの使用。 公共施設、公共交通、ショップの妨害に値する行為。 荒らし行為。 その他不適切と判断した行為。 建築について 新規に建築をする際は、トラブル防止のため既存の建築物から5マス以上離して建築してください。なお、建築物の所有者との合意がある場合はこの限りではありません。 プレイヤーは所有建築物の上下空間をすべて所有します。 そのため、他プレイヤーは所有者の了承がない限り当該建築物の空中、地下に建築することはできません。 所有建築物にはユーザー名を記した看板を設置し、所有者が分かるようにしてください。 当サーバーは以下の建築物に限り、改変勧告、撤去勧告をします。 ・軽度なルール違反である建築物。 ・周辺景観を乱す建築物。 ・ユーザー名を記した看板がない建築物。 ・その他不適切な建築物。 当サーバーは以下の建築物に限り、展示場に移動します。 (展示場に移動された建築物をメインワールドに戻したい場合、運営にご相談ください。) 改変勧告への対応が見られない建築物。 公共物建設、付近住民の要望等により移動させる必要のある建築物。 当サーバーは以下の建築物に限り、建築物を撤去します。 ・撤去勧告に応じない建築物。 ・重度なルール違反である建築物。 ・その他早急に撤去するべきだと判断した建築物。 広大な土地を取得したい場合は運営にご相談ください。 資源ワールドでの建築は許可しますが、再生成の際に生じた損害に関しては一切責任を負いません。 自治体制度について 自治体を設立したい場合、運営の許可が必要です。 無許可の自治体はルール違反とみなし、差し押さえます。 自治体は全体で1つの建築物とみなします。 建築物に問題が見られた場合は一律して自治体の代表者に改変、撤去勧告をします。 以降の処置については一般建築物と同様です。 自治体の運営上の問題があった場合は運営が事情聴取の下是正を促します。 自治体民誘致は基本的に認めます。ただし常識の範囲内に限ります。 過度な誘致は迷惑を与える行為として処罰します。 自治体の代表者に自治体民の財産、建築物等すべての所有物を要求することは如何なる場合でも認められません。発覚し次第処罰いたしますので、要求された場合は必ずSS等で証拠を残しておいてください。 公共交通について 道路は私有地を侵害していなければ基本認めます。 当サーバーの鉄道は運営鉄道と私鉄に区分されます。 鉄道は運営鉄道、私鉄にかかわらずサーバー全体の持ち物とみなします。 個人使用目的の鉄道敷設は禁止です。但し、自治体の範囲内に限っては例外です。 鉄道敷設を見越した土地所有は建設可能エリアを少なくしてしまうため禁止です。 住民提案で敷設された鉄道はすべて私鉄に区分されます。私鉄は審査が必要なため、運営にご相談ください。 私鉄に限り、運営の承認があればデザイン、ルート変更が提案者に限り認められます。 鉄道も既存の建築物から5マス以上離して建築してください。例外が認められる場合は一般建築物と同様です。 運賃等金銭の徴収は一切認めません。 原則複線で敷設してください。 付近景観に合ったデザインにしてください。きちんと作ってあれば認めます。 新規駅の設置は運営の許可が必要です。 駅は建築物とみなしますので、基本的に建築物のルールと同様です。 付近に他路線の駅がある場合は共用を指示する場合があります。 敷設の際は建築物としてのクオリティと移動手段としての実用性をバランスよく保てるようにしてください。 ルールに違反している鉄道、駅については建築物と同様の基準で処分します。 その他ご不明な点ございましたらご相談ください。 引用